根本から考えが変わったことで、身体運動も根本から変わってくるのです。
事実、私からこうしたアドバイスをもらった選手は、翌日から早速「ゆるゆるスキー」を実践し、コーチが「どうしたのだ? 今日の滑りはすごいぞ」と驚くほど、いい滑りができるようになったのです。
「大成功でした」と報告してきた選手に、私は「だったら、ふだん歩くときにも同じことを心がけろ。
1歩歩くごとに身体がゆるんでいくような歩き方をするのだ」と「ゆるゆる歩き」を進めたのです。
この、歩けば歩くほどゆるんでいくという「ゆるゆる歩き」の奥義を、「ほどゆる」といいます。
「ほどゆる」というのは「ほどほどにゆるむ」のではなく、「すればするほどゆるむ」という意味です。
「ほどほどにゆるむ」などというのは論外で、ゆるむならそれこそ徹底して「ゆる」に取り組まなければなりません。
まず、できるだけ簡単な方法から紹介しましょう。
1番簡単な方法は、自分の環境の中にある「センターに似ているモノ」を見つけることからはじまります。
いきなり環境の中にあるセンターに似ているもの、と言われてもピンとこないかもしれませんが、垂直な一線であれば、何でもかまいません。
たとえば、柱の線ですとか、壁と壁が交差している部分を見てください。
これらは一直線に上下に伸びていると思います。
柱がグネグネと曲がって、斜めになっている建物というのは、そうそうないと思います。
あったとしても「この建物の中にはいたくないな」と直感的に思うはずです。
じつは、直感的に「この建物の中にはいたくない」と思う感覚は非常に重要なのです。
柱というのはやはり垂直に立っていなければいけません。
柱が垂直に立つことで、その建物のバランスが取れるからです。
もちろんやろうと思えば、柱を斜めに立てた建物というのも作れるでしょう。
柱を斜めに立てて建物を維持しようとすると、その強度や剛性は、垂直に柱を立てたときの何倍も必要になることは誰にでもわかるでしょう。
反対に柱をまっすぐに立てれば、最小限の強度で建物は維持できるのです。
人間の身体もこの柱の例とまったく同じです。
だから、環境の中にあるまっすぐ垂直に伸びたセンターに似ているもの(環境センター)を探すことは、自分の身体の中にセンターを作る作業にとって、かなり重要かつ本質的なことなのです。
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